ゴムを削ってカタチにする技術

ゴムの切削が、試作・設計現場に効く! 

切削加工技術に焦点を当て、話を少し戻してみましょう。通常、ゴムやスポンジの製品は金型を製作し、それを用いて量産されるのが一般的です。ただし、この方法にはコストや納期がかかるというデメリットが伴います。それに対して、ゴムのシートやブロックを直接切削加工して形作るアプローチには、多くの利点があります。例えば、少量で多品種の製品を迅速に供給することが可能になります。これは設計者にとって朗報です。金型を使用せずにゴムを切削することは、「試作に効く!」非常に有効な方法なのです。

詳しくは、「切削加工とは」をご覧ください。

適切な加工手段の選択が要

ゴムの加工には、切削、研磨、接着など、多様な方法が用いられています。また、加工方法によって使用する工作機械も異なります。弊社では多軸複合加工機や、CNC旋盤、円筒研削盤、マシニングセンタ、ウォータージェット、カッティングプロッターなど、さまざまな工作機械を取り揃えており、お客様のご要望に最適な加工方法でお応えします。

機械設備の詳細は、こちらをご覧ください。

削らず穴を開ける、ポンチの誕生秘話

ゴム栓のような形の製品に、穴を開けなければならない! 数が二、三個ならまだしも、大量の注文が…。当初は木工で使われるドリルを使っていましたが、それでは綺麗に加工できず、切れ味もすぐに悪くなってしまいます。さて、どうしたものか。この難題を解決するのに、大手鉄鋼所で腕を磨いた熟練工の技術が活かされました。彼は革細工などで使われていたポンチに手を加え、よりシャープなものに改造しました。これを使って穴を開けると、これまでとは雲泥の差! 美しく精度の良い穴加工ができたのです。当時を知る人たちは、その感動を今でも忘れられないと言います。

「汎用旋盤でないとダメなことや、磨けない技術もある」

かつての昭和時代、町工場の活気を今に伝える汎用旋盤は、技術の進歩と共に、弊社の工場にあるのはたった1台のみとなりました。他の機械はすべて自動工作機械に置き換えられたのです。この変化が必然的であるのは、コンピューター制御によって精密な作業を繰り返し行えること、そして加工時間を劇的に短縮できることが理由です。
しかし、汎用旋盤の存在感は未だに色褪せることはありません。「CNC(Computer Numerical Control コンピュータ数値制御のこと)では加工が難しい超柔らかい素材も、汎用旋盤なら可能です。CNC旋盤にしかできないこともありますが、汎用旋盤でないとダメなことや、磨けない技術もあります」と、汎用旋盤を巧みに操る旋盤工は語ります。
また、複雑な加工データを扱う5軸複合加工機のオペレーターも、汎用旋盤で培った感覚の重要性を強調し、「汎用旋盤で培ったゴムの感覚は今も活きています。」と語ります。
匠の技術が求められる汎用旋盤は、新しい技術の波には乗っていないかもしれません。でも、古くさくなったというわけでもありません。それは、今もなお、現場で重要な役割を果たしています。汎用旋盤は、単なる無骨な「機械」を超えた存在なのです。

通販サイト

通販サイト、はじめました 

ものづくりに欠かせないものと言えば「素材」です。弊社は、ゴム加工をする上で、様々な種類のゴム・スポンジ素材を扱うようになりました。中には、あまり知られていないレアなものもあります。これらを広くご紹介できないか? 欲しいゴム素材がホームセンターでは見つけられず頭を抱えている人はきっといるはずです。

そんなニーズに応えるべく、2004年(平成16年)ゴムとスポンジ素材に特化した通販サイトが開設されます。2009年(平成21年)には名称が「ゴム通」(ごむつう)としてリニューアルしました。おかげさまで「ゴム通」は今では広く知られるようになり、サイトの訪問者数は1日1400件に上ります。(2024年現在)

この通販サイトは、最初は社内のスタッフの手で作られました。(後に専門の業者によって再構築されました)商品情報のリサーチから撮影、価格設定、さらにはサーバーの準備に至るまで、ほぼすべてが、社内のプロジェクトチームが一丸となって作り上げられたのです。

カタログも自社で作られました。CG制作や組版のためのアプリケーションの扱い方、デザインについても学んだことがないまったくの素人でも、果たしてカタログ作りができるのでしょうか。不安はあったものの、なんとか出版にこぎつけたのは2009年のことです。

様々な取り組みが実を結んで、今では多くの方に「ゴム通」が知られるようになりました。

素材販売だけじゃない!

「ゴム通」で扱っている商品数は3000以上、欲しいものがきっと見つかるはずです。しかし、素材販売だけではありません。運営しているのが「加工のプロ」であるという強みを生かして、単純なものから複雑なものまで、お客様のご要望に合わせて「素材をカタチに」いたします。

簡易加工なら、パソコンやスマホからテンプレートを選んで数値を入力するという簡単な操作だけでパッキンなどが注文できる「ゴムキル」もご利用ください。

「ゴム通」(ごむつう)、変わった名前です

ゴム通、変わった名前ですよね。このネーミングに落ち着くまでは、紆余曲折がありました。たとえば、「ゴムの通信販売」はどうかという意見。でもあまりにも直球すぎです。そこで次の検討会議で、一人の社員が「ゴム通」(ごむつう)というのはどうかと提案します。これまでにない響きを持つ名前ですが、しっかりと「ゴム」の「通販サイト」であることが伝わるということが評価されました。これで決まりです! お客様に「あっ、ゴムのことはゴム通だよね」と気軽に言ってもらい、さらには、ゴムという素材の通にもなっていただけることを願っています。

未来に向けて

私たちは、これからも技術の伝承と革新に挑み続け、お客様にとって欠かせない存在であり続けることを目指します。特に、金型を使用せずにゴムを高精度に切削する独自の技術は、私たちの誇りであり、他にはない価値を提供しています。この技術を駆使し、お客様の多様なニーズに応えるとともに、社会に貢献し、未来を共に創造するパートナーとして、皆様と共に歩んでまいります。私たちの挑戦は続きます。これからも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

会社概要

私たち、扶桑ゴム産業のプロフィールです。